モニエル瓦のメンテナンス方法

モニエル瓦と呼ばれる、コンクリート製の瓦があります。モニエル瓦にはどのような特徴があり、また、メンテナンス方法があるのでしょうか。

モニエル瓦とは

モニエル瓦はヨーロッパ発祥のセメント瓦の一種です。正式名称は「乾式コンクリート瓦」で、「乾式洋瓦」とも呼ばれています。

日本企業のクボタとオーストラリアの「モニエル社」と共同で高圧・半乾式成形の技術を開発し、量産できるようになりました。

日本には1973年(昭和48年)に生産技術が導入されて、「ラファージュルーフィング株式会社(旧:日本モニエル株式会社)」が発売していました。メーカーは2010年に解散したため現在は生産されていません。

「モニエル瓦」という名前は、元々は屋根材の商品名でしたが、業界に広く浸透したため、屋根材の名前として定着しました。

モニエル瓦の特徴

モニエル瓦の塗装には独自の塗料を使います。また、コンクリートを材料にしているため、コンクリートならではの長所と短所があります。

独自の塗料

モニエル瓦の塗装には、「着色スラリー」と呼ばれる専用の塗料を使います。スラリー(slurry)とは、「セメントを作るときの、原料の石灰石や粘土に水を加えて粉砕した泥状のもの」のことです。着色スラリーは、スラリーに染料を混ぜて色を出したものです。

モニエル瓦の長所

モニエル瓦には、コンクリートの特性を生かした機能面や美観の長所があります。

強度

着色スラリーを使うことで強度が増し、強風や豪雨にも耐えられます。

材料

防音、耐火、遮熱にも優れています。

形状や色

セメントを成型するため、和型や洋型などの様々な形のものがあります。また、着色スラリーで鮮やかなものから落ち着いたものまで多様な色を表現できます。

ノンアスベスト

モニエル瓦には人体に有害なアスベストを使っていません。

モニエル瓦の短所

コンクリート製のモニエル瓦は良い点ばかりではなく、コンクリートならではの短所もあります。

重さ

1㎡あたり40~50kgになります。これは粘土瓦よりは軽いものの、屋根材の中では重いものになります。(金属瓦は1㎡あたり5kg程度)

防水性

モニエル瓦本体はコンクリート製のため、そのままでは水を吸ってしまいます。そのため、モニエル瓦全体を着色スラリーとクリア塗装で防水性を高めます。

しかし、この塗装が劣化したり剥がれた状態が長く続くとそこから雨水が浸み込んでしまいます。この結果、瓦の内部から劣化が進んだり、屋根の下地である防水シートや野地板などが傷む原因になります。

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モニエル瓦のメンテナンス

モニエル瓦は耐久性の高い屋根材ですが、経年劣化は避けられず「メンテナンスは不要」というわけではありません。また、メーカーがなくなって生産していないため、修理ができないときは屋根を葺き替えなければなりません。

再塗装

モニエル瓦の塗装は築10年くらいから紫外線や風雨での劣化が始まります。10年~15年ごとに塗装をし直す必要があります。この再塗装を怠ると、モニエル瓦の内部に雨水が侵入して屋根材を傷める原因になります。

定期的な点検と再塗装をしていけば、40年~50年以上使い続けられます。

モニエル瓦の塗装の手順

モニエル瓦の再塗装は、今ある塗装を剥がす、下塗り、着色スラリーの塗装、クリアー塗装と進みます。

着色スラリーを剥がす

今ある着色スラリーを全て剥がします。古い着色スラリーが残ってしまうと、新しく塗装した着色スラリーと一緒に剥がれてしまうことがあるからです。

着色スラリーは高圧洗浄機で剥がしますが、高圧洗浄機では完全に剥がしきれないときは残った分を手作業で剥がします。

下塗り

下塗りは、この後の「着色スラリーの食いつき」をよくするためのものです。モニエル瓦の下塗りにはモニエル瓦に適した下塗り塗料を使います。モニエル瓦に適さない下塗り塗料を使うと、着色スラリーが剥がれてしまうことがあります。

着色スラリーの塗装

着色スラリーでモニエル瓦の本塗りになります。着色スラリーの厚みは2mm~3mmほどです。

クリアー塗装

着色スラリーを塗った上にアクリル樹脂系のクリアー塗料で覆います。着色スラリーもセメントが主成分のため、防水性のある塗料で覆うことで防水性と強度を高めるための工程です。また、着色スリラーの色褪せを防ぐ効果もあります。

モニエル瓦の劣化のサイン

モニエル瓦は表面の塗装で劣化を判断できます。塗装の劣化が進むと、下の写真のように表面に「ざらつき」がでてきます。これは、表面のクリア塗装が薄くなって、着色スラリーの層がむき出しになるからです。

葺き替え

現在、モニエル瓦は生産されていないため、在庫がないと「大きく割れてしまったところの部分的な差し替え」といった修理ができません。このようなときは「屋根の葺き替え」となります。

モニエル瓦は重い屋根材のため、金属などの軽い屋根材に葺き替えることで「建物への負担が軽くなる」というメリットがあります。

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