本当に漆喰が必要?棟の積み直し

三日月漆喰

漆喰の重要性

瓦屋根には欠かせない存在、漆喰。

漆喰とは消石灰(身近なところで言うと運動場に白い線を引くための粉)を主原料とした建築材料のことです。
屋根の頂点部分にあたる「棟」の屋根土を保護するための白い部分のことを言います。

三日月漆喰

この漆喰は、定期的なメンテナンスが必要なのですが、ほとんどの方がメンテナンスが必要な時期を逃してしまい、漆喰の劣化から屋根全体のダメージになってしまっているような気がします。

この記事では

 漆喰の役割
 補修のタイミングや目安

をご紹介していきます。屋根の漆喰について正しい知識を得て、是非ご自宅の屋根漆喰のメンテナンスの参考にして頂ければ幸いです。

漆喰の役割

三日月漆喰
三日月漆喰

漆喰は瓦や壁の上塗りなど、様々な建築で使用されています。

漆喰の歴史は5000年以上も前から世界中の建築物に使用されてきて、日本の伝統的な家屋から、お城などにも使われています。

屋根に使われる漆喰は屋根の棟と瓦の間の隙間を埋め、瓦の下にある「屋根土」を雨風から守り、瓦を接着させる目的で漆喰が塗られています。

瓦と漆喰の耐久性の違い

瓦屋根に使用される瓦の耐用年数は長いもので50~60年と長いものが多いのですが、屋根に使われる漆喰の耐用年数は瓦よりも短く、10年前後で表面が朽ちてきたり、剥がれてきたりするのが一般的です。

漆喰の主材料は消石灰のため、瓦と違い耐用年数は短く、主に以下の理由で劣化していきます。

 雨風に晒されて朽ちる
 直射日光や寒暖差による劣化

三日月漆喰

本来、屋根の漆喰は定期的にメンテナンスするものです。

漆喰の劣化状況を見ながら、必要なタイミングで漆喰のメンテナンスを行うことで、瓦屋根全体の耐用年数も保ち、家全体の寿命も長持ちさせることができます。

 

気付ける機会が少ない漆喰のダメージ

瓦屋根全体の耐用年数は長いのに対し、漆喰部分の劣化は10年前後で出てくるものですが、なかなか気付きにくいのが漆喰のダメージ。

家の下から屋根を見上げても、漆喰部分の劣化は気付きにくいこともあり、漆喰が剥がれている箇所から屋根土が雨水に侵食され、気付いたときには棟全体がダメージを受けているというようなケースも多いです。

サラサラの屋根土
サラサラの屋根土

漆喰の症状

漆喰が剥がれてしまうことで起きる症状を段階別に3つご紹介します。

1.屋根土の流出
2.瓦の抜け落ち
3.雨漏り

この3点が大きく分けて浮かび上がってきました。それぞれご説明致します。

屋根土の流出

漆喰が剥がれてしまうことで屋根の中で一番大切な棟内部の屋根土が雨風に打たれ、流出してしまいます。

お家で言うと基礎の部分になりますので、致命的な劣化に繋がります。

どんな立派なお家も基礎が流れてしまうと傾いてしまいます。

屋根の上でも同じことが起こります。

漆喰で屋根土を保護することで屋根の耐用年数は変わってきます。

瓦の寿命は約35~60年ぐらいはあると考えられていますが、棟の漆喰にはそこまでの耐久性はありません。したがって、その間漆喰の塗り直しや状況によっては棟の積み直しなどの補修が必要になってきます。

逆に言うと瓦自体にしっかりとした寿命があるため、漆喰の補修を行えば漆喰のみの小さい補修だけで維持できるというのが瓦屋根のメリットになります。

瓦の抜け落ち

前述したとおり、棟という箇所に漆喰が使われており、棟にはのし瓦という小さい瓦が積み上げられていることが多く、その瓦のズレなどから棟内部に雨水が侵入し、その侵入した雨水は屋根土を湿らし、風化させます。その結果、瓦への接着力がなくなり、また瓦がズレるという悪循環を繰り返していきます。

放っておくと中に入り込んだ雨水が外に出ようとする際、漆喰を押し出し、剥がれるということが起きてしまいます。

ここで一番怖いのは、住んでいる方が気付きにくいという点です。

隅棟解体
棟解体

雨漏り

最後に出てくる症状として、室内への雨漏りとなります。

棟内部に雨水がまわるということは、放っておくと地瓦の裏にも水がまわり、屋根土の下にある防水シートに繋がります。

この防水シートは最後の砦です!

防水シートがダメになってしまうと雨漏りが起きてしまいます。

この段階で入り込んだ雨水が屋根の下地も通過していることから、多くの場合、屋根の下地の補修も必要となることが多く、大きな費用がかかってしまいます。

 

天井穴あき
天井雨染み

漆喰の汚れ

漆喰汚れ

漆喰は屋外にあり、常に雨風に晒されています。
なので年月が経つと、どうしても大気中の塵やホコリが漆喰に付着し、汚れていきます。

この汚れは本当にただの汚れなので、漆喰の劣化とは関係ありません。
たまに、「漆喰が黒ずんできたから劣化してきているんじゃ?」「漆喰が黒くなってきたから屋根が崩れてこないか心配」と思われる方もいらっしゃいます。
漆喰の劣化は「ひび割れ」や「カケ・脱落」なので、黒くなってきたとしても、漆喰の機能としては全く問題ありません。

黒くなってきても、特に何かしなくてはいけないというのもありません。
「どうしても見た目が気になる」という方は漆喰の塗り直しなどを専門の業者に依頼するようにしましょう。

漆喰の重要性まとめ

瓦屋根は瓦自体がダメになるのではなく、屋根の作りが劣化していることが多いです。

汚れている漆喰もありますが、大気中の塵や埃で汚れているだけなので、漆喰の劣化ではありません。

本当の劣化はひび割れや脱落になりますので、早くに気付き、早期対応することで、費用を安く、屋根を長持ちさせることが可能です。

この記事を書いた人

情熱リノベーション株式会社 雨漏り診断士 水谷  一真(みずたに かずま)1994年11月29日生まれ

生まれも育ちも三重県津市(白山町)です。小さな頃は野山を駆け回る野生児っぷりを発揮していたそうです。おかげで入社当初から屋根の上など高い場所に上るのはお手の物です。

情熱リノベーション期待の若手ホープです。勉強熱心で過去の数千件ある雨漏り修理実績や雨漏り原因を調べ、いつの間にか知識を付けている頼もしい存在。今ではレディオキューブFM三重『雨漏り2時20分!』にレギュラー出演しています。

三重県にお住まいで雨漏りにお悩みの方に少しでも役に立てれば幸いです。お気軽にご相談下さい。

<水谷プロフィールはこちら>