金属屋根(縦葺き・横葺き)

たてひら

金属屋根も瓦と同様に、様々な種類が存在します。このページではメジャーなものをいくつかピックアップし、金属屋根について紹介していきます。

ガルバリウム鋼板屋根の歴史

現代において「金属屋根」といえば素材はほぼ「ガルバリウム鋼板」になります。
しかし、ガルバリウム鋼板が登場するまで、金属屋根は今ほどメジャーな屋根ではありませんでした。
高価なこともあり、神社の銅板屋根として使用されるくらいでした。
今も昔も板金工と呼ばれる専門の職人が工事を行っていましたが、戦時中に金属が戦車や銃に使われる統制品となり、金属建材の需要が急落し、板金工は激減してしまいました。
 
戦後に亜鉛メッキ鋼板、いわゆるトタンが登場し、瓦の凍害が多い東北地方や北海道で普及が始まります。
しかし、トタンは錆びやすいというデメリットがあり、金属屋根は瓦やカラーベストに次ぐ第三の屋根としてのポジションがしばらく続きます。
その背景の中で登場したのが「ガルバリウム鋼板」です。
 
トタンのデメリットであった錆びやすさが格段に改善され、徐々に市場に認められるようになります。平成から令和にかけて発生した大地震や大型台風などの天災の影響もあり、現在屋根材の見直しが進んできています。
長年の実績と評価により、ガルバリウム鋼板を中心とする金属屋根が最も多く使われる屋根として確立されてきています。

増加する金属屋根へのリフォーム

カラーベストから金属屋根へ

近年、カラーベスト(別称コロニアル、スレート)の屋根をガルバリウム鋼板の屋根にリフォームする方が増えてきています。
築30年が過ぎているカラーベストは10年ごとに塗装工事を行っていたとしても、屋根の寿命が近づいているため、多くの方がガルバリウム鋼板の屋根を用いた「葺き替え工事」もしくは「屋根カバー工法」を検討します。
2004年よりアスベストを使用することは原則禁止となり、2004年以降のカラーベストは、屋根を丈夫にさせるアスベストが含まれておらず、強風時にひび割れや欠けなどの不具合が生じることが多くあります。(2013年には代替技術が確立)
そのため、築10年前後であってもガルバリウム鋼板の屋根材を用いたリフォーム工事を検討する人は少なくありません。

瓦から金属屋根へ

瓦屋根をガルバリウム鋼板の屋根にリフォームする人も多いです。
築年数が増加し、屋根の老朽化や雨漏りなどの経年劣化をきっかけにリフォームする方もたくさん見えますが、一番の理由は耐震性の改善です。
最近は大型台風などの天災の被害の予防をきっかけに、ガルバリウム鋼板の屋根にリフォームする人が増えています。

金属屋根の施工方法

ひとことで金属屋根と言っても施工方法によって、大きく「縦葺き」と「横葺き」の2種類に分けることが出来ます。
縦葺きでも横葺きでもない少し特殊な「折半屋根」という種類もございます。

縦葺き

屋根の流れに沿って縦方向に葺く金属屋根を「縦葺き」と呼びます。
今から30~40年前の金属屋根といえば、横葺きではなく縦葺きのことでした。皆様がイメージされるトタン屋根が代表的な縦葺き屋根です。

最近は横葺きが増えてきている一方で、縦葺きも負けずに進化しています。
昔は心木と呼ばれる木の棒とトタンで構成された瓦棒(かわらぼう)と呼ばれる葺き方が一般的でした。しかし、最近は心木を使わずガルバリウム鋼板のみで屋根を仕上げる立平(たてひら)が縦葺きの主流になっています。

複雑な屋根の形状の場合、雨仕舞が悪くなったりというデメリットもありますので注意が必要です。

たてひら

たてひら(縦葺き)

瓦棒

瓦棒(横葺き)

横葺き

屋根の流れに沿って横方向に張る金属屋根を横葺きと呼びます。
断熱性が高い断熱材一体型や、耐風性に優れた施工ができるなど、付加価値の高い屋根に仕上げられるため、特に屋根のリフォームでは主流となる葺き方です。

住宅密集地では日差し確保の関係上、屋根の面が多くなる傾向があり、そのような複雑な屋根の形状の場合は横葺きが施工のしやすさの点で適しています。
そのため、都心や郊外の屋根は自然と横葺きになることが多いです。

横葺きのデメリットは主に2つあります。
屋根の勾配が2.5寸以上必要になることと、縦葺きより価格と工期の負担が増えることです。
ただしこの2点を除けば横葺きは優れた点が多い葺き方なのです。

はやぶき

はやぶき(横葺き)

スーパーガルテクト

スーパーガルテクト(横葺き)

折半屋根

折半屋根

金属屋根の中には少し特殊な「折半屋根」というものも含まれます。

折半屋根とは大きな凹凸がある形状の屋根材を使った屋根のことを言います。大規模なものでは工場や倉庫など、小規模では一般家庭用のカーポートの屋根などに使われております。過去には大型な建物では波板スレートが多く使われてきましたが、それに含まれるアスベストが問題となり、現在では波板ではなく、折半屋根が使われることが多くなりました。

工事においても梁の上に野地板やルーフィング(防水シート)を設置する必要がなく、直接乗せてボルトで固定するため比較的工事もシンプルになりました。

金属屋根まとめ

屋根リフォーム業界だけでなく、新築業界でも年々その人気が高くなってきている金属屋根についてご紹介してきました。金属屋根は非常に軽量な屋根材で、建物にかかる負担が大幅に軽減されることや、建物自体の耐震性を向上させることが大きな特徴です。この特徴は、地震や台風などの自然災害が多い日本のことを考えれば、非常に優れたメリットと考えられ、年々そのシェア率が伸びているのだと思います。

しかし、どれだけ優れた屋根材だとしても、何のデメリットもないということはありませんので注意が必要です。特にガルバリウム鋼板は非常に高い耐久力がセールスポイントとして押されることが多く、業者の営業トークを聞いて「ガルバリウム鋼板屋根はメンテナンスフリーだ!」と勘違いをしている方も少なからず見えるように思えます。この考えは大きな間違いであり、どれだけ耐久力が高いガルバリウム鋼板屋根でも、定期的なメンテナンスは絶対に欠かすことができません。特に屋根の頂点部分の棟板金などは徐々に固定が緩んでしまい、強風で吹き飛ばされてしまう、という被害も増えています。このような事故をなくすためにも、金属屋根も定期的な点検が大切だと覚えておきましょう。

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    この記事を書いた人

    情熱リノベーション株式会社 雨漏り診断士 水谷  一真(みずたに かずま)1994年11月29日生まれ

    生まれも育ちも三重県津市(白山町)です。小さな頃は野山を駆け回る野生児っぷりを発揮していたそうです。おかげで入社当初から屋根の上など高い場所に上るのはお手の物です。

    情熱リノベーション期待の若手ホープです。勉強熱心で過去の数千件ある雨漏り修理実績や雨漏り原因を調べ、いつの間にか知識を付けている頼もしい存在。今ではレディオキューブFM三重『雨漏り2時20分!』にレギュラー出演しています。

    三重県にお住まいで雨漏りにお悩みの方に少しでも役に立てれば幸いです。お気軽にご相談下さい。

    <水谷プロフィールはこちら>