「雨漏りを直すには塗装すればいい」と業者に言われる

塗装の目的とは

屋根塗装や外壁塗装の目的とは

1.基材の保護

2.美観向上

まず1の基材の保護とありますが、こちらは屋根材や外壁材の事を指します。外壁塗装を行うタイミングの目安として、前回の塗り替えから〇年が経過や、外壁を触るとチョーキングといって手に粉が付くことや、外壁の繋ぎ目に充填されているコーキング材が切れていたりすると塗り替え時期に来ていると言われています。

 

もちろんそれらは間違っていません。

 

次に2の美観向上とありますが、言葉の通りに見た目が良くなります。最近ではフッ素塗料や遮熱、断熱塗料など優れた塗料も普及している様に思います。

 

決して塗装がいけないと言っている事ではありません。

 

何が言いたいかといいますと

今のご自宅の屋根や外壁の現状は塗装が適しているかどうか?

もし現状、雨漏りしているとしたなら塗装を行って雨漏りを直すことは不可能に近いです。

 

「雨漏りは塗装で防げます」は正しいですが「雨漏りは塗装で直せます」は正直難しいと思います。

 

ただ中にはコーキング材といって外壁材の繋ぎ目である防水材が切れていて、そこから雨水が侵入し雨漏りしている場合は、塗装で直せるという点は間違っていません。

 

実際ですが、今までの経験上そんなに簡単に雨漏りが直ったことは少ないです。雨漏り原因=雨漏りの入り口は多岐に亘ります。最近では塗装屋さんも塗装だけでなく、屋根のカバー工法や葺き替え、外壁のカバー工法や張替えなどを行っている事から、雨漏りはそんなに簡単に直ることは無いと、リフォーム業界全体でも浸透してきています。

外壁塗装や屋根塗装が本領発揮するのは、事前対応としてです。

塗装の目的として2に挙げました【美観向上】は見た目の原状回復も然ることながら、屋根材や外壁材といった基材に問題が起きていなければ1の【基材保護】としての役割がきちんと担えます。

 

つまり何が事が起こる前に、事前対応として屋根塗装や外壁塗装を行うことで、雨漏りが発生するリスクを抑えることは十分実現されます。

適材適所

適材適所。この言葉のように正しい選択が今後長く安心していけることを実現できるかにかかっています。

 

我が家のリフォームを検討される方は、皆様ご自宅を大切に思われている方ばかりです。

 

家を綺麗にしたいはもちろんですが、誰かを想ってリフォームされる方がほとんどだと思います。その背景は様々です。

そうした大切にされている想いを私たちは雨漏り調査を通して大切にしていきたいです。

塗装に適していない屋根の事例をご紹介します。

屋根塗装の不具合事例

これらの屋根は不適切な屋根塗装により雨漏りが発生しました。

津市芸濃町 M様

鈴鹿市稲生 M様

多気郡多気町 N様

津市南が丘 O様

四日市市西坂部町 M様

何が問題なのか?

屋根塗装をする際は、屋根の上下重ね部に【縁切り】といった作業が必要になります。

 

縁切りとは屋根の上下重ね部に隙間を設けることです。

 

なぜ隙間が必要なのか?

 

屋根を塗装するという事は、厚みがつきます。

 

厚みとは塗料の事です。屋根塗装することにより、若干ですが屋根厚が増します。

 

その若干の屋根厚が雨漏りを起こすキッカケや雨漏りを助長させる事となります。

上の屋根写真は工事前の状態です。この屋根のどこが問題かといいますと、上でも述べました【縁切り】処理が施されていないために雨漏りを起こしていた事です。

 

赤丸が屋根材の上下重ね部になります。この重ね部が塗料で埋まってしまうと、雨が降った時に屋根重ね部の裏側に停滞しやすくなります。

 

また小屋裏に溜まった湿気も排出されにくくなり、屋根の下地も痛めやすくなってしまう悪循環が始まります。

 

ちなみに、この屋根材はカラーベスト屋根といって全国でも三重県の似た気候の地域では広く普及している屋根材です。

縁切りせずに屋根塗装を2回繰り返した結果

屋根材を剥がしてみると完全に塗料によって、屋根の隙間が埋め尽くされていることが確認できます。

重なり部は結露も起こし、排出されなかった雨水も汚れとなり下地を痛めていた事が確認できました。

屋根塗装の不具合まとめ

屋根リフォームの方法は大きく3種類に分かれます。

 

1、屋根塗装

2、屋根カバー工法

3、屋根葺き替え工事

 

この3つの内最もポピュラーなのが1の屋根塗装だと思います。

 

2の屋根カバー工法や3の屋根葺き替え工事というのは、屋根材が新品になる事により選ばれる屋根によっては屋根の性能が向上します。同時に屋根塗装に比べて工事日数や工事価格もかかります。ですが屋根不具合事例に挙げさせて頂いた屋根の状態には屋根塗装を繰り返すのは最適とはいえません。

 

ここで大切な考え方として【屋根の現状はどうなっているか?】これらの現状をまずしっかりとご自身が把握される事が必要だと思います。

 

そしてご自宅の屋根に【今後何度も屋根リフォームを繰り返したくない】という考えをお持ちでしたら、必ず後悔しない屋根リフォームにも繋がることと思います。

塗装に適していない外壁の事例をご紹介します。

外壁塗装の不具合事例

これらの外壁は雨漏りしている事から外壁塗装に適していない外壁でした。

津市高茶屋 T様

津市雲出長常町 N様

津市高茶屋小森町 N様

津市久居野村町 A様

津市高茶屋小森町 Y様

何が問題なのか?

外壁塗装の効果として、誰しもが分かることに【美観の向上】が挙げられます。同時に外壁の表面を強くし雨や壁、紫外線から保護してくれることとなるでしょう。

 

それらが最大限に発揮される状態は、基材といった外壁材の状態がベストかどうか?また外壁材の施工方法によっても左右されます。

 

外壁材自体のベストとは?経年変化による外壁材の伸縮や反り、雨漏りや結露で水分を含んでいないか等

 

外壁材の施工方法とは?代表的に挙げられるのが【直貼り工法】と呼ばれる今から20数年前までは多くみられた外壁材(サイディング材)の施工方法でした。

 

直貼り工法の問題点とは?

【壁内に結露が発生する】事と【雨漏りした場合は水が逃げにくい】といった2つの問題があります。

つまりどちらも外壁表面の問題だけではありません。

 

屋根の場合は表面で判断したり、小屋裏といって屋根下地の裏側を確認する事で雨漏りの有無等の判断基準の幅が広がりますが、外壁の場合は裏側を簡単に見ることが出来ません。

外壁が色あせて傷んでいたとしても、外壁塗装を行えばそれは綺麗になります。

綺麗にはなりますが、長持ち(外壁塗装を検討される方は約10年長持ちを目安にしていられる方が多いです)といった耐候性を手に入れる事は難しいかもしれません。

上の外壁写真は工事前の状態です。この外壁のどこが問題かといいますと、上でも述べました【直貼り工法】によって壁内に結露が発生していた事と、実は雨漏りを起こしていた事です。

 

直貼り工法の問題点として「雨漏りした場合、水が逃げにくい」とお伝えしました。壁内に侵入した雨水が柱に停滞し続けると

【木材腐朽菌】といったカビと【白アリ】が発生します。

そして直貼り工法とは建物の柱に直接、外壁材(サイディング材)が張り付けられている為、震度弱の地震でもサッシ廻りの開口部周辺や掃き出し窓の下端など、外壁材が切断加工されている箇所などは、特に外壁材にヒビが入りやすいといった傾向があります。

実際、外壁を剥がすと中はどうなっているのか?

サッシ窓横の柱になります。白アリによって柱が食い尽くされています。また防水テープが貼られていない事や脆弱な当時の防水シートなど、雨漏りや結露の原因は直貼りだけに限りません。

こちらは下地に合板が張ってあり、直貼り工法の外壁でした。外壁塗装後3年もたたない内に雨漏りが再発し、施主様の希望により部分解体を行ってみた所の現状写真です。

塗装に適していない外壁不具合まとめ

少し衝撃的な写真が数枚ありましたが、雨漏りの中で最も怖い原因の1つに外壁であると私たちは思っています。

 

お住まいの方々は自宅の壁の中が、まさかこの様になっているとは思いもしません。

 

ただ分かっていた事は

「雨漏りしているかもしれない」

「外壁材が傷んでいるけど本当に塗装で大丈夫なのだろうか?」

といった疑問を持たれていたことです。

 

その結果、雨漏り調査を行い雨漏りの入り口が外壁である事が判明し、ではどうすれば1番建物にとって良いかをご検討されたからだと思います。

 

このページで何度か【直貼り工法】という言葉が出てきました。直貼り工法は現在NYG(日本窯業外装材協会)では推奨されていません。

 

現在は【通気工法】といって柱と外壁の間に通気層を設ける工法が主流となっている事から、直貼り工法の様な雨漏り事例は減ってきています。

 

誤解があるといけませんので申し上げますが、直貼り工法は手抜き工事といった部類ではありません。直貼り工法が当時はこうした雨漏り原因になると考えられていなかったのです。

 

直貼り工法であっても、雨漏りしていない建物はたくさんあります。ただ雨漏りはしていなくとも結露発生や外壁材の寿命は弱くなります。直貼り工法に限らず、ご自宅の外壁に何か異変を感じるようでしたら、外壁建物診断をご依頼ください。

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    例:津市久居野村町515-3

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