瓦棒屋根の劣化とリフォーム方法|カバー工法と葺き替えの判断基準

◆「屋根に穴が…」瓦棒屋根の劣化は突然に

築30年以上の戸建て住宅でよく見られる屋根形状のひとつに『瓦棒屋根(かわらぼうやね)』があります。

見た目はシンプルで直線的なデザインが特徴の金属屋根ですが、実はこの瓦棒屋根、経年によって錆びや穴あきなどの劣化が起こりやすい構造となっています。

特に雨風が当たりやすい軒先やケラバ(屋根の側面部分)は劣化が早く進み、腐食や雨漏りの原因になるケースが多く見受けられます。

◆瓦棒屋根の基本構造と2つの施工方法

瓦棒屋根は「トタン屋根」と呼ばれることも多く、昭和期の住宅で広く普及していました。

屋根材として使用されているのはトタン(亜鉛メッキ鋼板)やガルバリウム鋼板といった金属で、軽量で施工性が高いというメリットがあります。

施工方法には主に以下の2つがあります。

✅ 芯木(しんぎ)工法
屋根の接合部に木の下地(芯木)を通し、その上から板金をかぶせて仕上げる伝統工法。

✅ 吊子(つりこ)工法
板金の金具(吊子)で屋根材を固定し、キャップを被せて防水性を高める工法。

見た目は似ていますが、それぞれ施工方法や下地の劣化しやすい箇所が異なるため、補修・瓦棒屋根リフォームの際は工法の見極めが重要になります。

◆最も劣化が進む「軒先」と「ケラバ」には要注意

瓦棒屋根の中でも、特に劣化しやすいのが軒先とケラバです。

これらは常に雨風にさらされる場所で、板金の継ぎ目や端部から錆が進行し、最終的に穴が開いて雨水が侵入してしまいます。

✅ 錆の進行により、板金が穴あき・腐食する
✅ 雨水が下地に浸入し、木材が腐食
✅ 表面はきれいに見えても、内側から腐っている可能性も高い

◆リフォームは「塗装」ではなく「葺き替え」または「カバー工法」

瓦棒屋根は金属素材のため、表面塗装で一時的に見た目を改善することは可能です。

しかし、内部まで進行した錆や雨漏りは塗装では防げず、根本的な解決にはなりません。そのため、以下の2つの工法がリフォームの主な選択肢になります:

✅ 屋根カバー工法

・下地がしっかりしている場合に有効
・既存の屋根の上に木下地と新しい金属屋根を施工
・工期が短く費用を抑えられる

✅ 屋根葺き替え工事

・下地が腐っている場合や錆が広範囲にある場合
・屋根をすべて撤去し、野地板・防水紙・屋根材を新設
・長期的な安心を得たい方におすすめ

現在、屋根塗装を検討中の方でも、瓦棒屋根であればまずは屋根の構造や劣化状況を調査することが第一歩となります。

◆「屋根葺き替え工事の」ご紹介

①既存の瓦棒屋根(吊子工法)を解体撤去していきます。

②瓦棒屋根と共に防水シート(ルーフィング)も剥がしていきます。

③既存屋根下地の上から新たに構造用合板12mm厚を張っていきます。

④軒先(屋根の先端)から新たな防水シート(ルーフィング)を張っていきます。

⑤防水シート(ルーフィング)を全面に張り終えました。

⑥新たな屋根材「たてひら」を並べていきます。

⑦たてひらを葺いていきます。

⑧最終の仕上げ確認も行い、瓦棒屋根から「たてひら屋根への葺き替え工事」が完了致しました。

◆点検を迷っている方へ|塗装を検討しているその前に!

以下のような症状がある場合は、無料点検をご検討ください:

✅ 雨が降ると屋根の音が気になる
✅ 屋根の端が錆びている、変色している
✅ 20年以上屋根のメンテナンスをしていない
✅ このページを保存🔖して、家の屋根の健康診断の参考にしてください。

◆瓦棒屋根リフォーム|概算費用の目安

※金額はすべて税込の目安で、現場状況・面積・足場の有無により変動します

✅ カバー工法(粘着ルーフィング+ガルバリウム施工):7,000円〜/㎡
✅ 葺き替え工事(既存撤去+下地交換含む):120,000円〜/㎡
✅ 部分修理(軒先・ケラバなど):30,000円〜/箇所

この記事を書いた人

情熱リノベーション株式会社 代表取締役 小河 光司(おがわ こうじ)1983年7月2日生まれ

23歳からハウスメーカーの屋根外壁工事を請け負う外装工事会社を創業。新築工事に限らず様々なリフォーム工事も任される事により、雨漏りに悩んでいる多くの方の存在を知り、30歳の時に【雨漏り修理専門店 情熱リノベーション】を設立しました。

雨漏りを止める為には徹底した原因究明が大切です。雨漏り調査から雨漏り修理まで一貫した施工体制を整えることで雨漏りの再発を防いでいます。また全ての工事に10年間の無料アフターメンテナンスが標準保証で付いており、雨漏り修理後も安心し続けて頂く事が可能となります。

三重県にお住まいで雨漏りにお悩みの方、雨漏りしているかご不安な方はお気軽にご相談下さい。

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