外壁カバー工法について
外壁リフォームの中には「外壁塗装」「外壁カバー工法」「外壁張替え工事」というものがあります。今回は当店が扱う【外壁カバー工法】についてご紹介したいと思います。
外壁カバー工法(金属サイディング)とは
外壁カバー工法とは簡単に言えば、今の壁の上に別の外壁材を取り付けていく工法です。
外壁カバー工法は、使用する外壁材が大きく2種類。「窯業系サイディング」と「金属系サイディング」とあります。
この2つの違いは、まず素材です。窯業系サイディングとはセメント材を中心に作られている外壁材です。一昔前はモルタル壁の建物が多かったのですが、モルタル壁に変わり新しく出てきたのが、窯業系サイディングです。金属系サイディングの素材はガルバリュウム鋼板とアルミとありますが、アルミ製品の金属サイディングは不具合が多い為に、現在アルミを採用しているメーカー。アルミサイディングをお勧めする業者は少ないと思います。またガルバリュウム鋼板とは屋根材でも使いますが、金属の外壁としても、幅広く使われています。
どちらも状況によって適したものが有りますが、このページでは金属系サイディングの外壁カバー工法とは?をご紹介していきます。
施工のイメージ
見た目の仕上がりも良くなりますが、重要なのは機能性(断熱、遮熱等)の向上です。
【BEFORE】
【AFTER】
外壁カバー工法だけに限らず、外壁リフォームは建物の顔となります。色や柄も含めて建物の景観を損なわず、それぞれの商品の持つ良さを生かす外壁リフォームを行える事が出来れば、きっとご満足頂けるのではないでしょうか。
外壁カバー工法のメリット・デメリット
外壁カバー工法にも様々なメリット・デメリットが有ります。
具体的なメリットには
- 傷んだ外壁でも、新築同様の外壁にできる
- 様々な機能性素材があり、耐震性アップや、防火性能、断熱効果や遮音効果、汚れ落ち効果などを追加することができる
- もちが非常に良い
- 工事期間も短い
- 住みながらのリフォームが可能、騒音もかなり抑えられる
など、お手軽・機能性・見た目の三拍子揃ったやり方です。
新築戸建のほとんどは今はデザイン性の高い窯業サイディングが使われています。
もちろんデメリットも有りまして、価格の面では外壁塗装と比較した場合どうしても割高になる事や、外壁カバー工法は普通の外壁工事よりも施工が難しい面が多く、ただ張れば良いという訳ではなく、きちんとした知識・経験を持った職人が施工を行わなければ、結露等の弊害が起こってしまいます。
以上のメリット・デメリットがあります。これから外壁リフォームをお考えの方で外壁の色あせだけの問題でなく、遮熱、断熱効果を得たい。外観の雰囲気を変えたい。という方にとっては外壁カバー工法も選択肢の一つとして選んで頂く事が出来ると思います。
費用感と工期について
【外壁カバー工法費用(サイディング壁の場合)】
・1㎡辺り 5000円~
【工事期間】
・約2週間(天気の都合含めです)
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作業の流れ
1.既存外壁の劣化箇所確認。
外壁カバー工法の場合、注意しないといけないのが既存外壁の状態です。もし雨漏りを起こしていたり、万が一雨が侵入した事を考えて下地となる、既存外壁の状態をしっかりと確認しなければなりません。
写真は某ハウスメーカー住宅です。外壁繋ぎ目のコーキングといった防水材が劣化して切れている箇所がありました。
2.既存外壁の補修。
最初の既存外壁の状態を確認した上で、コーキングが劣化している箇所、劣化を起こしそうな箇所は、防水性能を高める為に、コーキングを充填し直します。
外壁カバー工法のメリットの一つに壁が2重張りになり、断熱効果が増すという利点があります。その反面一度、外壁を張ってしまうと簡単には剥がす事ができなくなります。(特に金属サイディング)そういった事も含め外壁カバー工法は知識、経験、技術を伴い、建物の構造も理解している専門店に一度、診断を依頼する事も重要だと思います。
3.土台水切りの取付け。
建物により土台水切りを必要としないケースもありますが、大抵は土台水切りを必要とします。外壁カバー工法の場合、外壁下端の小口保護といった役割りになります。
4.下地工事。
金属サイディング、窯業サイディング共に下地工事を必要とします。現在のサイディング工事は【通気工法】といって壁内に通気層を確保しなければなりません。胴縁(どうぶち)といった下地材を既存外壁に留めつけていきます。昔は【直貼り工法】といって壁に直接サイディングを張る場合の事を言います。直貼りだと雨漏りや結露といった問題が生じる可能性があります。
今回、下地工事に使用したのは【樹脂製胴縁】です。木製と比べると樹脂なので腐らない。といったメリットがあります。デメリットとしてはコストが木製に比べて上がります。
5.見切り材の取り付け。
外壁カバー工法の場合、胴縁といった下地材が既存サッシよりも前に出てしまう箇所があります。その胴縁の上に金属サイディングを張るので、さらに手前に外壁が出てしまいます。そういった時にサッ シ周りの問題を解決してくれるのが見切り材と言った部材です。
6.本体工事。
全ての下地工事が終えれば、土台水切りの取り付けられた1番下から順番に上へと張っていきます。
7.本体工事が完了
金属サイディングを全て張り終えました。次の工程としてサッシ窓廻りといった開口部周辺や、室内から出ているエアコンのホース、電気の配線廻りには防水工事が必要となります。防水工事の事をコーキング工事やシーリング工事と呼んだりもします。
ここではコーキング工事と呼ばせてもらいます。
8.コーキングの下準備
コーキング材を必要とする場所へ充填するために養生テープを張 っていきます。養生テープを張り終えたらコー キングを充填する箇所(養生テープの間)にプラ イマーと呼ばれる透明の液体を塗っていき ます。重要な役割を果たすプライマー。 役割はコーキングの切れ防止や2面接着と いった効果があります。今回は防水性の向上が主な目的となります。
9.コーキング工事完了
綺麗に仕上がりました。コーキング材は固 まるまで、とても柔らかい商品です。 最低3日間はコーキング箇所には触らない様に注意です。
エアコンカバーも新品になり綺麗になりました。
10.工事完了です
足場が解体され無事に外壁カバー工法の完了です。既存の建物はハウスメーカーオリジナルの外壁材でしたが、今回は外壁のデザインも変わり、重ね張りする事で断熱効果も上がりました。またフッ素焼き付け塗膜が施された高級塗膜の金属サイディングにより、大幅なメンテンスコストカットが実現されました。