こんにちは!小河です。本日は伊賀市希望ヶ丘O様邸の屋根耐震葺き替え工事の様子をご紹介します。
「台風の日や強い雨が降ると、窓から雨漏りがポタポタとしてくる」最初にそうお問合せを頂きました。
雨漏り調査の結果。原因は【軒天】と【ケラバ】部分からの雨の侵入が雨漏り原因でした。
【軒天】とは外の天井部分になります。そして【ケラバ】とは屋根の名称になります。軒天の上部にケラバが位置している形状でした。破風板側の軒天になります。 表現が下手くそで申し訳ないです(+_+)
東風から吹き込んだ雨が軒天に当たり、屋根裏の空気を換気させる為の【軒天有孔板】からの雨の侵入。そしてケラバからの雨の侵入がありました。
屋根裏に上り、散水試験の結果を確認すると雨の漏水状況が分かります。
【軒天】【ケラバ】から吹込み侵入した雨は、外壁や柱を伝って下へ下へと落ちていきます。上の写真は2階の窓サッシ上の柱になります。
O様邸は切妻屋根の総二階でした。外壁に凹凸が無い為、2階から侵入した雨はそのまま真下まで落ちて行きます。
また【ケラバ】とは屋根の両袖部分になります。ケラバには【ケラバ捨て水切り】といい、ケラバ内に万が一雨が侵入しても、雨を軒樋まで流す役割を果たす屋根部材を取り付けますが、今回はケラバ捨て水切りは入っていませんでした。
今でこそ【ケラバ捨て水切り】は必要部材とされていますが、当時は施工業者によりケラバ捨て水切りを使用するか使用しないかはバラバラでした。
少し専門的になりますが、、、。
何より今回の雨を侵入させた1番の原因は【破風板】と呼ばれる【軒天】や【ケラバ】と干渉する部分の納まり(仕上げ)に問題がありました。
今回は破風板が屋根下地合板よりも「上に立ち上がっていました。」 つまり雨がケラバ内に侵入すれば(外からも内からも) 破風板と屋根下地合板の隙間から雨が侵入してしまうのです。
もちろん屋根の防水シートは施工されていますが、破風板(内側)に当たる部分で防水シートはカットされているので、雨の侵入を許してしまいます。
屋根瓦のズレも確認できました。既存の屋根はセメント瓦と呼ばれる種類の屋根です。桟木工法と呼び、木下地に瓦を引っ掛けて釘で留めつける工法です。
瓦がズレるという事は桟木が腐食し、劣化した為にズレが生じます。こうした現状も踏まえて今回は屋根葺き替え工事を行う事となりました。
足場も組み立てて、本格的に屋根葺き替え工事のスタートです。
まずは屋根の頂点【棟】と呼ばれる箇所に取り付けられている屋根部材。【棟包】を解体したら、次に上から順番に既存セメント瓦を解体していきます。
どんどんセメン瓦を解体していきます。
剥がしたセメント瓦は【瓦荷揚げ機】といって昇降機能がついた専用のハシゴで下していきます。
セメント瓦を全て撤去し終えました。桟木も所々腐食しています。
O様邸は西面に【下屋屋根】が1箇所存在しています。下屋屋根も2階屋根同様に解体していきます。
2階屋根です。桟木と既存防水シートを解体撤去します。写真奥に確認できますが、ケラバ箇所(屋根の袖部分) の破風板が屋根下地合板より、上に立ち上がっているのが確認できます。
下屋屋根も桟木と防水シートを解体撤去します。写真右でも確認できますが【鼻隠し】と呼ばれる軒樋が取り付けられる木下地が屋根下地合板よりも「上に立ち上がっています」これも雨仕舞としては納まり(仕上げ)が悪くなります。
2階屋根下地合板に新たな防水シートを張ります。KMEW社のタフガードと呼ばれるゴムアスファルト系の屋根専用の防水シートです(*’▽’)
先ほどの屋根下地合板よりも、立ち上がっている破風板をカットしました。
これで屋根面は全て均一になりました。
下屋屋根も同様に防水シートを張りました。既存の【鼻隠し】も2階屋根でカットした【破風板】同様に屋根下地合板と均一になる様にカットしました。
最後に厚手生地のブルーシートを2階屋根、1階下屋屋根と雨養生して本日の作業は完了です。
次回はいよいよセメント瓦からKMEW社の軽くて強いハイブリット瓦【ルーガ雅】への屋根耐震葺き替え工事を行います(*^_^*)