現代において「金属屋根」といえば素材はほぼ「ガルバリウム鋼板」になります。
しかし、ガルバリウム鋼板が登場するまで、金属屋根は今ほどメジャーな屋根ではありませんでした。
高価なこともあり、神社の銅板屋根として使用されるくらいでした。
今も昔も板金工と呼ばれる専門の職人が工事を行っていましたが、戦時中に金属が戦車や銃に使われる統制品となり、金属建材の需要が急落し、板金工は激減してしまいました。
戦後に亜鉛メッキ鋼板、いわゆるトタンが登場し、瓦の凍害が多い東北地方や北海道で普及が始まります。
しかし、トタンは錆びやすいというデメリットがあり、金属屋根は瓦やカラーベストに次ぐ第三の屋根としてのポジションがしばらく続きます。
その背景の中で登場したのが「ガルバリウム鋼板」です。
トタンのデメリットであった錆びやすさが格段に改善され、徐々に市場に認められるようになります。平成から令和にかけて発生した大地震や大型台風などの天災の影響もあり、現在屋根材の見直しが進んできています。
長年の実績と評価により、ガルバリウム鋼板を中心とする金属屋根が最も多く使われる屋根として確立されてきています。